待つしかない場面もある中国ビジネス

今週は天津へ出張に行きました。

私は普段北京にいて、天津へは新幹線で30分で着きますので天津は日帰りも可能ですが、今回は所用が幾つか重なっていたので、2泊3日の日程にしました。

まず天津経済開発区で政府関係者、自動車業界、医療機器の業界の会合に参加。自動車業界では日系、欧米系、民族系とそれぞれのサプライヤーの話も聞けて有意義な会合でした。

かなり大勢の参会者であったので、食事は天津経済開発区にある「天津百餃園」で。

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ここは魚のすり身の餃子が有名です。

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接待でも餃子なら安いので、ホストが頼む事頼む事・・・

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写真はもう食事終了間際に取ったのですが、円卓の上はこの状態・・・殆ど残ってるじゃないか!(笑)

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最近は中国政府から倹約令が出ているとの事ですが、こういった文化はあまり変わらないですね。

但し、今回は昼食という事もあり、お酒は無しでした。
(中国では特にお客さんがいる場合、昼からお酒は珍しくありません)

何件か所用を済ませ、その後とある許認可申請の提出に、役所へ行きました。(ここからが本題です)

今回の申請内容は提出書類が多い為、事前に役所担当者を訪ね提出書類の詳細を確認しているので何の問題も無いはずで、且つ今迄の経験上突然他の書類提出を求められる事もある為、要求された以外の関連の書類の原本及びコピーも持参しており、自信満々で前回確認した全ての書類を提出しました。

担当者から日本で発行した書類の中国語翻訳文に翻訳会社の印鑑が押していないとクレームが付きました。事前の確認時には同じ役所の別の担当からは自分で訳しても良いとの事だったので、自分で翻訳をして提出したのです。

前回こう聞いていると食い下がったのですが、絶対にダメとの事。

しょうがないので、翻訳会社を探す事にしましたが、また出直すのも嫌なので、その前にその翻訳文以外の書類に不足は無いか担当者にチェックしてもらいました。その他はOKとの事。

急いでネットで翻訳会社を探し電話すると、今直ぐ出来ると。直ぐにタクシーに飛び乗って、翻訳会社へ直行。
到着すると翻訳会社は私が翻訳した書類に全く目を通さず(笑)印鑑を押してくれました。
その書面に翻訳者として私の名前を表記していましたが、問題ないとの事。
中国の公的な書類は印が大事なのです・・・
ちなみに翻訳代金(押印代金!?)は30元(約500円)でした。

再度タクシーに飛び乗り役所に引き返し、再度書類を提出。 (ちなみに担当の部署は役所のビルの4階にありエレベーターがありません・・・)

出てきたのは先程と違う担当者。
この担当者は書類を見る前に何故一人で来ているのかと。
(今回の手続きは私と中国人との連名のものです)
連名の相手と一緒に来なければ受け付け出来なく、且つ北京のある役所で発行した書類が一枚足りないと。
実は提出前にこの連名の中国人からこの役所に電話を入れ、一人で提出に行っても構わないかと確認しているのです。

これには私も流石に切れました(怒)〜!

「何故人により言う事が違うのか」「わざわざ事前に役所に来て提出書類の確認をし、且つ今回来る前にも電話で1人で申請に来てもいいか確認した。先程の担当者は翻訳文以外の書類に不備は無いと言った!」とひとしきりクレーム。

この担当者からはクールな顔で「他の担当が書類をどの様に判断したか知らない、私は連名の書類である限り2人で来ないと私の責任で書類を受理できない」との一点張り・・・

かなり食い下がりましたが、絶対にダメと・・・

そのやりとりをしていると、最初に出てきた担当が出てきました。

「あなたさっき翻訳会社の印のある書類持ってくれば、他の書類は問題無いって言ったじゃないか!」と言うと、役人には珍しく「ごめんなさい」と謝られました。(外人だからかな!?)
その後、2回目に出てきた担当が離席するとこっそり「足らない書類を持ってくれば、1人で提出に来てもいいよ」と耳打ちされました・・・。

一気に力が抜け、疲れがどっと出ましたが、取り敢えず出直す事に・・・

中国生活も長くなり、この様な事に慣れているつもりですが、まだまだ修行が足りません・・・

その後北京に戻り、1枚足らない書類を発行した役所に行き(電話で問い合わせるより、直接クレームをいう方が、柔軟な対応してくれる事が多いのです)クレームを言うと、前回の書類で絶対に問題無いと。
中国の役所では上記の通り、担当者が違うと言う事が違う事も多いので、更に他の窓口で確認しても問題無しとの返答。

更に食い下がると、わざわざ他の申請者の書類を目の前で見せてくれ、君の書類と同じだろと。

そこで先日の(こっそり耳打ちしてくれた方の)天津の担当に電話をし、北京の役所はこう言っているぞと伝えると「じゃあそれでいいよ」と(笑)

結局この担当者であれば、1人で申請に行き、前回と同じ書類で問題無かったのです!中国では断られた申請を、隣の窓口に提出したら受理されたなんて事もあるのです。

長年の中国生活で、この様な事は少なくなって来たとも感じるのですが、まだまだこういった事はあるのです。

皆様も中国事業を進める場合、スケジュールに余裕を持たせる事をお勧めします。
(中国に慣れていない)日本人が計画したスケジュールがこういった事の積み重ねで1.5〜2倍位に伸びていきます・・・

待つしか無い場面もあるのが中国ビジネスなのです!
(日本の本社にはなかなか納得してもらえないでしょうが・・・)

明日再度提出しに行きます。

本当は国慶節後に行きたかった(国慶節前後の駅は大変な混雑で、切符買うのも一苦労なのです。予約も出来ますが、前回の事もあるので時間が読めません!)のですが、妻(中国人です)からの「中国の役人の言う事は変わるので、早く言った方が良い」とのアドバイスに従う事にしました。

直接耳打ちしてくれた担当者を尋ねるつもりですが、どうなることやら・・

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