日中首脳会談の現地での反応と報道

昨日北京で日中首脳会談が行われた事は、日本でも大きく報道されていると思います。

昨日回りの中国人に「今日安部首相北京に着いたよ〜」と話を振ってみると、「ああ、今日習主席と対談したみたいだね。釣魚台(尖閣諸島)の問題で、安部首相が譲歩したんだろ」との反応・・・・


譲歩なんてしてないでしょう〜と思いつつ、今朝の現地の報道を見てみると・・・

まずは人民日報

人民日報 2014-11-11 APEC

一面は習近平国家主席夫妻がAPEC各国首脳と会談。


新京報一面は

新京報2014-11-11


同じテーマだが、安部首相との会談のみが個別国家の首相として一面に触れられている。


報道の中身を見てみると・・・

日中首脳会談2014-11-11


習主席が下記を主張したと書かれている。

・日中は隣国であり、両国関係の発展は両国民と国際社会の期待の利益に合致する。中国政府は一貫して対日関係は重視しており、日中4政治文章を基礎とし、歴史を鑑み、未来に向け日中関係を発展させる。

・この2年日中関係は厳しく困難であったが、それを直視する。双方は中日関係の処理と改善の為、先日合意した4点原則の共通認識を持ち、日方が妥当に関連の問題を処理する事を希望する。

・歴史問題は13億の中国人民感情、この地域の平和、安定、発展の大局に関連し、日本は日中双方の政治文章と「村山談話」等の承諾が、アジア隣国の未来の友好関係を発展させる。

・安定した日中関係の構築は、時代の流れで必須である。日本が平和発展を継続し、軍事安全政策を採用する事を希望し、それが隣国同士の信頼と、地域の平和安定性の為となる。

と(まあ中国の報道なので当然であるが)主に中国側の主張が書かれている。


特に領土問題に譲歩しているわけでも無いのだが、まあそういったニュアンスの報道をしないと、今迄の反日政策との関連で説明がつかないのであろう。

中国側としても拳の下ろし所を探っていたのでしょう。

今回の会談で何かを決めた訳でも、問題が解決したわけでもないが、会談を実施した事に非常に大きな意味があると感じます。


この2年半日一辺倒であった中国でこの様な報道がなされる事は、日中関係改善に大きな意味があり、基本的に政府の主張が報道される中国においては、庶民やビジネスマンの考えも変化するでしょう。


今回日中首脳会談が行われた事は、日中ビジネスに関わる者にとっても喜ばしい事です。

今回日本側譲歩のニュアンスの報道にもある通り、中国側に“メンツ”も与え、実利を取るというのは日中ビジネスの中でも重要です。

野田首相が当時の胡主席が尖閣諸島の国有化をしないでくれと直接話をした次の日に国有化を発表するというのは(日本側が日中関係を鑑み決めたとはいえ)、中国のメンツを潰す最悪の進め方と言えます。

ビジネスも中国人のメンツ等の習慣を理解し、日本の企業が「したたかに」中国で利益を上げて欲しいと思います。

これまで日中関係の悪化を受けストップしていた案件が再開・新規スタートしていくと思います。

中国の政府筋は首脳陣の方針を受け大きく動きが変わってきます。

中国の日中関係に関するムードも、日本以上に大きな潮流の変化となるのでは無いでしょうか?

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